紅い果実《BL》



「あと、お前感情豊かだろ。
記憶をなくしたのなら普通、最初はなにも感じないはずなんだ。

最初っつーか、一生?
見よう見まねで、おいしいとか楽しいとかを覚えるんだよ。

本当に楽しがってるわけじゃない。」

「なんで記憶をなくすと無感情に?」

「自分のことなんにもわからないんだから当たり前だろ?

そういう面でもお前は矛盾してる。」

「…~~~~っあーこんがらがってきた!
もっと簡潔に言えよ!」

頭からなんか出そうだよ…。

「だから!
寿命より早く死んだのに記憶がないっていうのと、記憶がないのに感情豊かっていうのは矛盾してんの!

寿命より早く死ねば記憶は残る。
万が一手違いがあって記憶が消えたとしても、感情も一緒に消えるからお前はオカシイっつってんの!」

なるほど…。

「僕はオカシイのか…。」

コイツに言われるとなんかムカつく。