その時、近くにいた女の子の声が聞こえた。 「ねえ私、気持ち伝えてみるよ!…報われないって分かってるけど何もしないより言った方がマシ!」 「そうだよ、その意気だよ!」 徒競走のピストルの音は聞こえない。 ただ聞こえるのは、女の子たちのさっきのセリフ。 『………何もしないより言った方がマシ…か』 そうなのかもしれない。 奏多にはまおちゃんがいて、私との記憶はとっくに忘れている。 新しい思い出だって一緒に作れないのなら、言って砕けてしまえばいい。