「えー、大和って好きなやついんのかよー」





一人のクラスメイトが大和くんに質問を投げかける。







「さあね〜」






大和くんのその返事を聞いた美香ちゃんはひじで私をつつく。






分かってる。
美香ちゃんにも言わないといけないの。






でも、言うタイミングが無いというか…







「ほらほらみんな席に着けー!」







先生が入ってきて授業が始まる。
静まり返った授業はとてつもなくつまらない。






しっかり黒板を見て板書している生徒の中で、私は別のところを見つめている。







あ、あくびしてる。







そう、眠たそうに黒髪を揺らす奏多。