Lost Memory














「じゃ、また明後日。」







彼はほんのり頬を赤らめて、家に帰って行った。







ふと首元に違和感を感じて触れてみると、私の首にはお花のネックレスがついていた。






『奏多…………』







走って行く背中がたくましくておとなっぽくて、ますますドキドキした。







真っ白になった脳内は奏多の事でいっぱいに埋め尽くされた。








奏多、奏多。





奏多さえいれば、それだけでいい。
上辺だけの友達なんていらない。







この関係はなんと呼ぶべきなのか。
未だに分からない。








ねえ、奏多。
奏多は私の事…………。