「大声出せるほどの元気あるなら風邪じゃないんじゃない?」 私を寝転ばせておでこにタオルを乗せる。 『ねえ、お母さん。会話聞こえてた?』 お母さんは何も言わずに、机の上に置いてあったネックレスに手を伸ばした。 「どれだけ大事な物でも、それよりももっと大切なモノってあるでしょう?」 お母さんはネックレスを見るなり、「あーこれは治らないな」と言った。 私は頬を伝う涙を一生懸命拭った。