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「彩葉ーーー!聞いてよ!」




『なに?奏多っ』








小学校五年生が終わった春休み、いつもは冷静な奏多がとてつもなく嬉しそうな顔をして走ってきた。







「もしかしたら僕、彩葉と同じ中学に通えるかもしれないよ!」






『え!?ホント!?』







当時、これまでにないくらいの幸せを感じた。







私のヒーロー。
奏多がいてくれたから孤独じゃなくなった。





そんな彼と同じ学校に通えるなんて、どんな幸せな日々を送れるのだろう。