Lost Memory













「わりい………。……家すぐそこ。」





『分かった、もうちょっと頑張って!』





「そこ、左に曲がってまっすぐ……うう……」






苦しそうな唸り声。
耳元で感じる黒崎君の辛そうな呼吸。







『死なないで!頑張って!』




「そこ、右に曲がっ…た……とこ…家」







途切れそうな声に焦りを感じる。







「彩葉……はぁ…はあ……」




『まって、奏多もう着いたから!』







黒崎と書かれた表札のついた家。
インターホンを押すと、母親らしき人が出てきた。






「か、奏多!?」




『あの!早く!早く、寝転ばせて下さい!』