Lost Memory













『え、そんなの全然気にしてないよ!』





「良かった。」






少し微笑んだ黒崎君の顔を見てるとなぜか切ない。


初めて笑ったところ見たのに素直に喜べない。
それはきっと、この遠い目のせいだ。







「う………。痛っ………」





黒崎君がいきなり頭を押さえてしゃがみ込んだ。







『ど、どうしたの!?』





「頭が………痛いっ……!う…うう…………」





『まって、しっかりして!家どこ!?』







私は黒崎君に肩を貸す。
すごく痛そうで、顔の真ん中にシワを寄せて歯を食いしばっている。







何が原因か分からない不安で鼓動がスピードを加速させた。