Lost Memory













『てか、なんでここに黒崎君がいるのよ。』





「いーじゃん、別に」






『ほんと冷たい。』







奏多との思い出の場所に、瓜二つの黒崎君がいるなんて嫌。







嘘、本当は期待してたりするの。
本当に奏多なんじゃないかって。






まあ、もうこの世にいないんだからあり得るわけないけど。







黒崎君は公園のジャングルジムをずっと眺めている。
見えないものを見つめるような遠い目。






何かを抱えている、そんな顔だった。