Lost Memory













私はその後眠れなくて、いつもより一時間も早く学校に行く用意が終わった。







いつものあの公園の横を通り過ぎようとした時、中に人影が見えた。







『奏多っ!?』







その彼が振り返った時、私は絶望した。
そこに立っていたのは黒崎奏多だったのだ。







「気安く呼び捨てすんな、ナンパ野郎」





『はぁー!?誰がナンパ野郎よ!じゃ黒崎君は冷酷男!』






「なんじゃそりゃ、バカみたい」








黒崎君の言葉にいちいちイライラしてしまう。





腹が立つの。
私の大好きだった奏多が、こんなやつと名前も顔も同じだなんて。