どうして?
この人本当にあの奏多じゃないわけ?
でも、こんな偶然あるはずない。
いくら成長して、背丈も声も変わっていても顔はあの時とたいして変わらないよ?
『ご、ごっめーん。やっぱ人違いだったかもー。へへ』
「………変な人」
いちいちかんにさわる。
奏多はこんな事言ったりしない。
それに奏多はもう………。
「どうしたの?白木」
『え?なに、大和くん』
奏多の席の前で呆然と立ち尽くす私に大和くんは声をかけてくれた。
奏多、奏多って考えるのはやめよ。
思い出にしたじゃないか。
それに私には、好きな人がいるんだからさ。


