『嘘………。奏多が………』 涙が急に溢れ出てきた。 「ちょっと、彩葉!?どーしたの!?」 『ううっーー。何もないよ、急に出てきただけ………』 何も言わずに泣きわめく私を、母は無言で抱きしめてくれた。 あんな言い方しなきゃよかった。 奏多が他の女の子の事好きだって分かって嫉妬したんだ。 それで奏多にあたったんだよ。 奏多が私のこと好きなんて、一言も言ってなかったじゃない。 あれはキスのつもりじゃなかったのかもしれない。 もう、頭がぐちゃぐちゃだ。 私はネックレスを強く強く握りしめた。