Lost Memory
















「嫌でもいいから来いよ」




奏多はしゃがんで靴紐を結び直しながら言った。





『…………そんなに真央ちゃん楽しみにしてるの?』






すると、奏多は後頭部をかきながら立ち上がった。





「俺が楽しみにしてる」






奏多の目はまっすぐ私の目に入ってくる。
少し照れ臭そうな奏多のせいでこっちまで恥ずかしくなってくる。





『黒崎くんが楽しみなの?』




「何回も言わせんな!」





私を一度落ち込ませておいて喜ばせることばっかりする。
どんだけ振り回せば気が済むの。




だけど、そんな事言われたら行かない理由が無くなっちゃった。





『暑いけど、行きたくなってきた。』






あぁ、私って単純バカだ。