隙間から見える景色に奏多はいなかった。 私はドアを全部開けて外に出てみる。 『あっ!…やっぱり』 そこには、家に帰って行く奏多の後ろ姿があった。 名前を呼んだのは奏多? それしか考えられないよね。 でもどうして? あんな子供みたいな喧嘩したのに。 それに、“いろは”って。 余計に奏多が分からない。 仲直りがしたい。 『……奏多!!!』 どうするのか考える前に口が勝手に名前を叫んでいた。 きっと本能的に、また5年前のような喧嘩終わりみたいなものを避けたかったんだ。