Lost Memory
















大和くんが戻ってきて、一緒に石段に座り込む。






「オレンジで良かった?」




『うん!ありがとう』







その日上がった花火はとても綺麗だった。
だけどなぜかボヤけていてあまり良く見えなかった。










「家まで送るわ。」




『大丈夫!帰りは美香ちゃんと帰る約束してるから。』




「分かった、じゃあ気を付けてな。」





『うん、ありがとう』







大和くんと手を振ってわかれる。
美香ちゃんとの約束なんでもちろん無くて、痛い足を引きずりながらゆっくり歩く。







美香ちゃんからのメールを開く。

《村田くんに送ってもらっちゃった!》







『楽しそうで良かった。』







私も嬉しい。
嬉しい、はずなのに。





頭の中には奏多と真央ちゃんのシルエットが浮かぶ。






『うっ……うう……痛い……』