「ふう、これで大丈夫かな」
『はぁ…はぁ…どうしたの?』
「ごめん、浴衣なのに走らせて。」
背中の汗がじんわり染み込んでくる。
暑い。
「せっかくの楽しい夏祭りなのに、見たくないモンだってあるでしょ」
あ、そうだった。
体育祭の時大和くんに私が奏多が好きって事をバレたんだった。
『そんな全然気遣わなくていいのに』
「……まだ好きなの?」
…まただ。
この緊張感。
『ううん、もう好きじゃないよ。』
「本当か?」
『ちゃんと諦めたよ』
あんなに幸せなところ何度も何度も見せつけられて、まだ好きでいれるはずがない。
そんな勇気、私には無い。


