夏祭り。





カランコロンと鳴る下駄の音が私は大好きだ。
日本人としての血が騒ぐというか、本能的に心が落ち着く。






女の子四人はばっちり浴衣で決めた。
みんな髪の毛もメイクも気合十分だ。







「おまたせーー!」






私達よりも早く、男子四人は待ち合わせ場所に到着していた。







「うお、浴衣じゃん!」






男子の一人が声を上げる。






大和くん、冗談で見たいって言ったけど褒めてくれたら嬉しいな。






パッと大和くんの方を見る。
いつもは笑顔なのに無表情の大和くんと目が合った。





そして、目があった瞬間大和くんは別の場所を見た。







あれ?







そらされた?






そんなに似合ってなかったのかな。







美香ちゃんは村田くんに「似合ってるじゃん」と言われてすごく照れている。






いい雰囲気だな。