「ねえ、君も一人?」 小学校三年生の春。 クラスに馴染めなくて公園で一人ぼっちだった私に、彼は優しく声をかけてくれた。 『……あなたもなの?』 私が聞き返すと彼はニッコリ笑って自己紹介をした。 「僕は吉沢奏多( よしざわかなた)」 『私は、白木彩葉(しらきいろは)』 学校は同じではなかったが、その日から彼は必ず2日に一回この公園に来るようになった。 それが私達の出逢いだった。