ある日のこと。

その日は、雪の降っていた日だった。その日のことは、大人になった今でもよく覚えている。


咲と寮が別れた日だった。


僕は、知嘉がいるのに、なぜか心の奥底で期待している自分がいたのだった。卑怯だ!

(僕にとって、知嘉の存在とはなんだったのだろう。)

僕は、毎晩のようにそんなことを考えていた。

ある日のことだった。