ドアの向こうで待っててくれる幸喜がいう。


「今いくー。」


よし、準備ができた。


髪はー、しばってもらお♪


ガチャ。


「幸喜、お待たせ。」


「おそいー。」


「ごめんごめん。髪、しばってくれない?」


「いいよ。」


さりげなく、本当にさりげなく、椅子を引いてくれる。


また、笑顔がこぼれちゃう。


「なんだ?ニヤニヤ笑って、かわいいけど、なんか気落ち悪いぞ。」


「えへへ、うれしいなって・・・でも、気持ち悪いはひどくない?」


「ごめんごめん、お、できた。これでいいか?」


「ありがと。幸喜は器用だね。羨ましい。」


「愛華は不器用だもんな。」


そう、ボクは本当に不器用。


しかも、男勝り。


幸喜とは正反対。


ホント、性別が逆なんじゃないか、ってくらい幸喜は器用で、ボクは不器用。


困った困った