~記憶の中の彼女は?・prologue~

“コンコン”

 『おはようございます。』

 「あぁ。おはよう。入って良いぞ。」

 『失礼します。』
  
 そんな1日の始まりの会話に俺は安心する。

  でもいつからだろう。
 俺のそばに彼女が居るのだろう。

 
 思い出したくても“覚えていない”

 まるで俺に『思い出すな』と言うかのように。

 だだ、覚えているのは、俺が彼女に

 『俺はお前を___。』

 と何かを伝えようとした事くらいだ。

 

 ・・・。彼が記憶を思い出そうとし、
 1人の大切な女性の事を忘れてしまうのはまだ少し先のお話。