いきなりの雨だった
今までずっと晴れていたのに
今日の夕日が嘘のように夜中雨が降った
時刻は午前1時過ぎ
ここは眠らない街Jのホテルの1室
私ろなは家族旅行に来ている


家族は皆寝ている
妹なんかは隣で歯ぎしりしている
私はなぜか寝付けずにずっと本を読んでいる



ふと本から離れて周りの様子をうかがってみるとさっきまで騒がしかった外も雨のせいか人や車の喧騒は無くなっていた
当たり前かとまた読書に戻った








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ここまでは良かったのだ
あの時、あんな選択をしなければ私はこんな状況になっていなかったのか








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私は、雨の中から違う音を聞き取った
雨ではない、雨ではないが確に聞こえる水の音


床に水がぴちゃぴちゃと不定期に当たる音シャワーの音
雨の音のせいで気づかなかった
いつから鳴っていたのだろう
シャワールームから確に聞こえる
家族は私以外皆寝ているのだ
私のいるベッドからシャワー室への扉とは3mも離れていないしその扉は私から丸見えだ誰もシャワー室に入った人などいない
最後にシャワーを使ったのは私だ
つまり、つまりは、シャワー室にいるのは誰だ?


私は恐怖と好奇心で思わず扉に手をかけた
まだ音はする
途切れることはない
耳の錯覚でもない
私はそっと扉を開けた
後悔や、恐怖心何てものを感じる余裕など無かった




み………た………な………





目の前が真っ赤に染まるのが先か、声を聞くのが先か
目の前に自分の中を循環していただろう真っ赤な液体が吹き出ているのを目にしながら私はゆっくりと意識を手放した
まるでシャワーのように吹き出す血をみながら……