「ねぇ」
さっきまでの優しく透き通る声ではない、
トーンの低い声で彼は呟く。
そして振り向き際に
「打ってる最中に話しかけたら、殺しちゃうかもよ」
今までの彼とはまるで正反対の
仰々しく恐ろしい表情で言い放った。
その時の彼の目は、虚空を眺めているような
そんな目をしている気がした。
「......大和、大丈夫なのか?」
「何が?」
「何がって、私のメアドだっつーの」
「俺がさ、あんなんに負けると思ってんの?」
何か奥の手でもあるのか
大和は口元に笑みを浮かべながら
満足気に呟く。
もしも大和が負けたら
こんな見ず知らずの男と
メールしなくちゃいけなくなる。
