「ごめんね、小さくて見えなかったんだ」
棒読みで、そして笑顔でありながら
どこか無表情に言った。
大和は一瞬、状況が読み込めなかったのか
硬直する。
しかしすぐに頭に血が上る。
大和の幼い顔つきが段々と険悪になっていく。
「んだとコノヤロー。さっきから黙って聞いてれば」
「君の勝利した時の条件なんかいらないよ。勝つのは俺なんだから」
「なっ......」
例の暖かい表情をゆるますことなく
大和に精一杯の嫌味だった。
横を歩いていく人たちが
こちらをチラチラと見ている。
険悪な空気が流れる中、
彼はドアを開けた。
「負けんのはオメーだからな!後から泣き言言うんじゃねーぞ!」
私たちに背を向けた彼に向けて大和は叫ぶ。
