腹がたってきて、
売り言葉に買い言葉を返そうとした時。
突然、さっきまでベンチに座っていた少年が
立ち上がった。
かと思うと大和の前に立ち止まる。
彼は身長が割と高く、
並んでいる大和が少し哀れんで見えた。
「キミ、野球上手いね」
彼の声は透き通るようで心地がよかった。
微笑んでいるかのような表情で
しかし毅然と大和に言った。
大和は一瞬キョトンとしたが、
いつもの図に乗るバカな癖が出る。
「そうっスかね?あははは、110キロのカーブくらい楽勝っスよー」
「そうだよね、それぐらい打てて当たり前だもんね」
大和の笑い声が止まる。
ようやく喧嘩を売られていることに
気がついたらしい。
