あぁ、彼は不良なんだ。
一目見て分かった。
しかし不風な髪とは打って変わって
顔立ちは優しそうだ。
常に笑っているかのような
柔らかい風貌。
彼はジッと目の前だけを見つめ
微動だにしなかった。
私は彼の視線の先を追う。
そこには『110キロ・カーブ』と
書かれた表札が取り付けられている。
110キロのカーブを打てる人は
なかなか居ないのではないか?
しかし、私の耳にはカーンという
音が届いている。
よく見てみれば、
110キロのカーブを打ってるのは大和だった。
(え、大和凄いなぁ)
不良っぽい彼も大和を見ていたらしい。
バッティングが終わり大和がこちらに振り向いた。
