「姉ちゃん? 帰ったの?」 扉をノックされた音と実の声が聞こえる。 「実! 起きてたの?」 急いで部屋の扉を開け、眠たそうにしている実を部屋に入れた。 「うん、てか姉ちゃんの怒鳴り声で起きた」 「うっ……ごめん」 「また母ちゃんとなんかあった?」 「ううん。私が悪かったから」 「そっか。でもあんまり溜め込むなよ?」 「ありがとう、実」 我ながら良い弟をもったと思う。 「で、姉ちゃん。今日はなんかあった?」 「え?」