新入生歓迎会を終えて帰宅する。




「ただいまー」




もう午前の0時を過ぎている。



とっくに実も寝ているだろうから、なるべく静かに家に入る。



だがリビングだけ灯りがついていたので、消し忘れかと思って覗き見る。



すると、実の母親の姿がそこにあった。




「お母さん……帰ってたの」




「……ええ、おかえり」




「ただいま」




気まずい雰囲気だ。




「このみ。あなた、あんな事件があったのにこんな時間にまで遊んでるってどうなのよ」




「…………ごめん」




「はぁ……大学生は気楽で良いわねぇ」




「うるさいな。放っておいて!」




お母さんにそう怒鳴ると、私は逃げるように自分の部屋に入った。