私ってばなにを言ってるんだ。



こんな時に告白なんて……



でもしちゃったものは仕方ない。




「今まで人を好きになるって、どんなのかわからなかった。けど、抱きしめられて嬉しいと思うのは……これが恋だからですよね?」




汐崎先輩は無言のまま少し腕の力を弱めて、私と視線が合うようにする。



初めて見た時から思った。



この人は、すごく綺麗な目をしてるなって。



無口で冷静だけどどこか暖かくて、細かなことにもすぐ気づいて、優しくて……




「汐崎先輩が……好きです」




2度目の告白は、先程よりも恥ずかしかった。



汐崎先輩は少し困った顔をしてからやっと口を開く。




「……………………ごめん」




暫しの沈黙の後、汐崎先輩はその3文字だけ言って真剣な表情で私をじっと見つめる。