「お前なにやってんだ!!!!!」




………………え?



ふっと私の頭とからだ中を押さえつけていた力が消えた。




「うわあああっ」




そして耳に伝わる佐瀬先輩の悲鳴。



混乱して瞬きができぬまま、なにが起こったのか確かめる為、ゆっくりと後ろを振り返る。



──あっ。



こちらを向き、口元から赤い血が流れて目に涙を浮かべながら尻餅をついている佐瀬先輩の姿。



佐瀬先輩の前にはこちらに背を向けて立っている、



私の初恋の人。




「 ──汐崎先輩!!!」