その声を探すように後ろを振り向くと、そこには少しだけ眉間に皺を寄せている汐崎先輩の姿が…




「……汐崎先輩」




「あ……葵! いつからそこに」




「そこの角でこの道に入ってきたばっか」




「そ、そうなのか」




動揺する私たちとは違い、なにも知らない汐崎先輩は冷静だ。




「なにをしてたかなんて気にしないけど、もうそろ集合時間になるよ? 急がなくていいの?」



「え!? ほんとだ! このみちゃん、葵! 走るぞー!!!」




「はっはい!」




「えー、俺もー?」