────そして金曜日。



大学が終わった後、偶然に道で一緒になった二階堂先輩と、温泉サークルでよく集まるらしい居酒屋さんに向かっている。



道歩く女性がチラチラと二階堂先輩を見ているのがわかる。



背高いしお洒落だしカッコいいもんな二階堂先輩。



そんなカッコいい人の隣で歩いている私って、周りからどう見てもとり憑いた悪霊だろう。




「あ、あの、二階堂先輩」




「んー?」




私の呼び掛けに二階堂先輩は爽やかに反応する。




「えっと、私とはもっと距離を置いて歩いた方が……」




私の言葉に二階堂先輩はきょとんとした表情をする。




「あーごめんね、俺なんかとカップルって勘違いされたら困るよね」




そう言って二階堂先輩は仔犬のように寂しそうに眉を垂らせる。