「"私は先輩たちに話しかけて貰えるような存在じゃない"だっけか……?」




「……私は、他の女の子のように可愛くないし、明るいわけでもない。それに……お、男の人慣れしてないです……し」




「は? 男慣れ? なんだそりゃ」




「だだだって!! 派手な女の子が飽きたから次は地味な私なんですよね? じゃなければ誰がこんなブスに先輩たちのようなカッコいい人たちが話しかけるんですか……」




「…………………………お前、なにか誤解してんぞ?」




先輩は驚きも怒りもせずにただそう言った。




「誤……解?」




「なんでそんなこと思ったのかわからないけど、俺たちは別に女あさりをしているわけじゃない。たまたま類はお前の食べっぷりが良くて話しかけただけだし、今日も誘ったのはお前が面白い奴だったってだけだ」




「………………う、そ」




「少なくとも俺は嘘はついていない」




「だ、だとしても、私は先輩たちにひどいことを言っちゃったし……」




「俺は気にしないけど、どうしても気になるならそこにいる奴らに謝ってみたら?」




「……え?」




汐崎先輩は顎で校舎の壁を差した。




「お前ら、いつまで隠れてるんだよ」




「やっべ、気づかれてた? もう葵ったらいきなり"唐揚げ残すとはけしからん"とか言って走り出すからびっくりしたよ」




そう言って壁からひょっこり姿を表したのは二階堂先輩たち。