「え⁉︎なんで⁉︎」
もう私はパニック状態!

「なんでって…理恵、俺についてくるんでしょ?」

いや、言ったけれども!

「どこ行くんですか⁉︎」

「ん〜…俺ん家?」
なんで疑問系なの⁉︎

「決まって無いんですか⁉︎」
「うん!」
「いや、ハッキリ言わないでください
よぉ〜!」

え?ホントどうするんですか⁉︎

「止まれぇ!貴様、お嬢様を返して消えろ!大奥様のご命令だ!」

えぇ〜⁉︎マフィアですか⁉︎
黒のサングラスに黒のスーツ。
怖そうな顔!
銃持ってそうだよこの人!

そんな人が2人、私達の前に立ちはだかる。

「もういいです。帰り…ひゃあぁぁ⁉︎」

言葉が途切れるのも無理は無い。
だって、悠斗さんは今、私をお姫様抱っこしながら宙に跳んで、一回転!

ひゃぁあぁぁ!

ストン

着地成功!
じゃなくて!
そんなのお構いなしに走り続ける
悠斗さん。

「死ぬかと思ったじゃないですか!」
「ごめんごめん!とりあえず逃げるぞ!」

そのまま走って私達は病院を出た。
さっきの人達はまだ追いかけくる。

走り続ける悠斗は前を向きながら
ポツリと呟いた。小声だったけど、



記憶は失ってしまっても
これだけは分かった。

本当に彼は私が好きなんだなぁ