彼がドアを開けると、おばあちゃんと思われる人が入ってきた。
「理恵。貴方は今すぐ退院よ。すぐ勉強しなくては。霧島の跡継ぎなんだから。うちは女しか生まれなかったからねぇ」
なんか凄く怖そう…
跡継ぎって、私凄い家の子なのかな?
「あの…貴方が私のおばあちゃん?」
すると、その人は強張った顔をして、
「おばあさまでしょ⁉︎貴方何を言ってるのかしら⁉︎」
かなり怒っていた。
何も思い出せない…
バン!
悠斗が慌てて入ってきた。
「なんなの貴方は!あの女の息子なんて
理恵の部屋に入る権利なんてないわ!」
「少し言い忘れたことがございまして」
こんなに荒れているおばあちゃんにも
冷静に答える悠斗は大人だと思った。
「理恵は記憶喪失なんです」