「理恵…そんなにアイツが好きか?」

私はコクリと頷いた。

「じゃあ婚約破棄しよう」

私は顔を上げた。

婚約破棄⁉︎本当に⁉︎
空耳…じゃないよね?


「本当に好きって思われなきゃ意味ねーしな。その様子じゃ、未練タラタラなんだろう?そんなの俺が嫌だし」

「で、でも…そんなの無理だよ…」

おばあさまの怖さは私が一番知ってる。誰よりもね。婚約破棄なんてどんな顔するか…

「正直に言えばいい。たまには真っ正面から向き合ってみないと」

「無理です!100%無理です!」