「君、大丈夫?」

泣いてる私に1人の男の人が話し掛けてきた。私と同い年くらいの人だった。

大丈夫だと言いたかったけど泣いてるから大丈夫とは言えなかった。

「……」

なにも言えずに黙ってると、

「俺さ〜政略結婚させられるんだよな」

男の人が話し始めた。

政略結婚⁉︎私と同じだ…

「私も…なんです…」
するとビックリしたのか目を見開いて、

「そうなんだ…辛いよな。好きじゃない奴と結婚なんて。俺、別に好きな奴いるんだ…」

「私も…好きな人がいるんです。
今日その好きな人から告白されたんですよ。でもフリました」

また泣きそうになった。

「婚約者がいるもんな…」

私は耐えきれずに泣いた。
すると暖かいものに包まれた。
辛かったよな…と言いながら、頭を撫でてくれた。

私は初対面の人と何してんだろ…

でも、そんな事忘れて、その人の腕の中で泣いた。泣き続けたんだ…



全て隼人さんに聞かれていたなんて知りもせずに…



「っ…なんでっ…」