「って〜…君、大じょ「悠斗〜どこだ!おめーがいねぇと勝てねーんだよ!」
「はあ?ふざけんな!陸上部が先だ!」
「悠斗くーん!遊ぼ〜よ〜」

向こうからこの男の人らしき名前を呼ぶ声が耳が痛くなるほど聞こえてきた。

「あの…お怪我はございませんか?」
私がそう、「悠斗」と呼ばれた人に声を掛けると、

「俺は大丈夫…君は?」
「私は大丈夫です。あの…沢山の方々に呼ばれていたようですが大丈夫ですか
?」
私が尋ねると、少し戸惑いながら、
「あぁ…あいつらはほっといていいんだよ。むしろ逃げてたから。」
と言った。
「そうなんですね…では私はこれで失礼します。」
そう言って立ち去ろうとしたけれど、悠斗と呼ばれた人に、
「俺、北浦 悠斗(キタウラ ユウト)!君の名前教えて?」
そんなことを言われたから少し戸惑ったけど私は悠斗のほうに振り向いて、

「私は霧島 理恵。さようなら。悠斗さ
ん。」
私はそう言うと、その場を立ち去り、走って行った。