そう言って私は家を出た。

悠斗さんにまた会えた…偶然だけど、すごく嬉しかったなぁ…でも、兄妹だなんて言ってくれたけど、連絡先知らない
し、もう会うことないよね…

私は少し寂しい気がした。なんでだろ…なんとな〜く思っただけなのに…

こんなにも胸がズキズキするのは…

「理恵!待って!」

そう声が聞こえて来た時は、嬉しくて嬉しくて。

「悠斗さん?どうかなさいました?」

私は聞いてみた。だって、わざわざ追いかけてくるなんておかしすぎる。

「あのさ!俺ら兄妹なのに連絡先交換してないなと思って!…もしよければ、連絡先交換しないかな?」

そう言った時、悠斗さんの顔が赤くなっていたことに気づいた。私は、ふふっと笑うと

「いいですよ。私も交換したいと思っていたので、とても嬉しいです!」

そう言うと私は彼と連絡先を交換した。

もう少し話していたかったけど…迷惑だと思うし…

「では失礼しますね!」

私は作り笑顔で笑った。私はその場を立ち去ろうとしたけれど、私の左腕を掴む彼によってそれができなかった。

「無理して笑うなよ…」

悲しそうな瞳をして彼は言った。

ああこの人には分かるんだ…
でも心配かけたくない…
でも気持ちは素直だな…


私の頬に涙が流れた。