「…やっと見つけた」 「せ、瀬戸!どうしてここに…」 息切れしながらたどり着いたのは、校舎の裏庭。 平野は体育座りをしていた。 ここなら誰もこないと思ったのだろう。 「となり、座ってもいい?」 「お、おう」 しばらく二人とも黙っていると平野がつぶやきはじめた。 「…だせぇよな、俺。教室抜け出した上に彼女が追いかけてくるなんて」 [彼女]という聞き慣れない単語に少しドキッとした。 「いやいや、私男勝りとかよく言われるし全然大丈夫だよ」 「…瀬戸はかわいいだろ」 「…え?」