無理して笑うな


コンサートが始まった。



あたし達がステージに登場するのは、音楽がなり始めてから1分後と決まっていた。




今は30秒




「あと30秒。」




このコンサートの企画部部長でありBlueSkyが所属する事務所、RedStarsの社長のウィリアムが緊張したように告げた。




ウィリアムは20年ほど前にアメリカから渡って来てすぐ芸能事務所を開いたらしく




BlueSkyの他にも多くの国民的ユニットを送り出している。



あたし達は親しみやすいこのおじさんをビルと呼んでいた。




「唯、準備は大丈夫カナ?」




ビルは時計から少し視線をこちらに向けて言った。




「君はリーダー、みんなを、引っ張る。」



あたしは頷いた。




「あと10秒」




あたし達よりビルの方が緊張している。




「唯ちゃん」




達也は小声でいうとあたしの腕を掴んだ。