無理して笑うな


俺は何も言わず頷いた。




別に呼ぶからと言ってなんの支障もきたさない。




「やった!コンサート楽しみだね♪」





由奈はそう言うと俺の手を掴んで走り出した。



「早く行こう!悠斗君!!」



由奈はどんなにいい席をとったのか



席はステージから3列目の中央から少し左に寄った席だった。




「…席当たったって言ってたっけ?」



「ん〜、詳しいことはよく知らないんだ!友達が一緒に行かない?って誘ってくれて」




由奈は肩をすくめた。



でもここからなら唯の姿どころか顔まではっきり見えるだろう。



蓮意外のメンバーも直接見ることができる。




「みんなテレビで見るよりもっともっとかっこいいよ♪

みんなそれぞれ人気なんだけど、やっぱり1番は嵯峨山 唯かなぁ。」




「そーなのか?」




由奈は頷く。




「まあ、すごい美人さんだもんね。

男の人だけじゃなくて女の人にもファンが多いんだよ。」




俺はため息をついた。



小さい頃は唯がアイドルになるなんて思いもしなかった。




もう、俺には一生手が届かないのかもしれない。