でも偽りの笑顔を作る癖は直らず、笑うたびに「無理して笑うな」とメンバーに声をかけられる。
それが心配をかけているようで
あたしは不安になることがよくある
「また笑って。無理して笑うなってあれほど言ってるだろ。」
斗真はため息をつくとあたしの頬を引っ張る
「ひたひほぉ〜(いたいよ〜)」
「じゃー無理しないって約束してくれたら離す。」
「ふる(する)」
「よろしい。」
斗真はあたしの頬を離すと笑顔になった。
「今週の日曜日はコンサートがあるんだから、無理してまた体調崩したら大勢の人に迷惑がかかるよ。
それは嫌だろ?」
あたしが頷くと斗真は満足したように先に歩き出す。
「分かったらいい。ほら、早く教室に行こう。」