あたしはいつも通り、起き上がり学校に向かった。




熱はまだ少しあるけど、今日はそんなハードな仕事はないから大丈夫なはず。



気遣って車で送ってくれたお兄ちゃんにお礼を言って学校に入ると、ちょうど校門にさしかかった斗真と目があった。




「唯!おはよ。もう大丈夫なの?」




斗真は仕事以外ではあたしのことをリーダーとは呼ばない。



仕事とプライベートはきちんと区別したいそうだ。




「たぶん大丈夫だよ。しんどくなったら保健室直行するし!」




あたしは笑った。



これはあたしの癖だった。



あたしは転校して周りの環境が変わってすぐ、よく笑う子になった。



本当はあたしが引っ越したくなかったことを知っていた両親を心配させないためか



悠斗のことを早く忘れるために友達が欲しかったのか



妹思いのお兄ちゃんを安心させたかったのか



でも所詮、それは偽りの笑顔だった



あたしが心から笑えるようになったのはいまのBlueSkyのメンバー達に出会ってからだ。