無理して笑うな


「蓮。待てよ。」




角を曲がって少し行ったところで、俺は呼び止められて振り向いた。



そこには斗真がいた。




「聞いてたろ。」




「ん?なんで?」




「…なんとなく。」




斗真は自信がなかったのか、不安そうに首をかしげた。





「…振られちゃったよ。」




俺の隣まで歩いて来ると、斗真はそう言った。




「返事はいらないんじゃなかったのかよ。」




あ、やっぱ聞いてたな。と



斗真は軽く笑う。



「返事して欲しくはなかったけど、唯はそういうところちゃんとする人だろ。」




「うん。」




唯は昔から、曲がったことが大嫌いだった。



だからこそ社長からBlueSkyのリーダーに指名された。




「…まあ、分かってたことだからいいんだけど。」




「後は悠斗と上手くいってくれたな。お前の気持ちも少しは晴れるんじゃねーの。」



俺がそう言うと斗真は立ち止まった。




「…蓮の気持ちも、だろ。」




「ん?」




どうしたんだ斗真?




「どゆこと?」




「お前も無理して笑う癖あるからな。

そういうとこ、BlueSkyのリーダーと副リーダーにはほんと呆れるよ。」




そう言われて俺は笑う。



確かに、俺も無理して笑う癖はあるかもしれない。



でもそれは唯に負担をかけたくなくて。



唯に、少しでも心から笑って欲しくて。









「…お前も、唯のこと好きだろ。」