無理して笑うな


〈蓮said〉


『だって、俺は唯のことが好きだから。』




ドアに背をつけて中の様子を伺っているとその言葉が聞こえ、俺はため息をつく。




「言ったか……」




斗真が唯を好きなことは、BlueSkyが始動してからすぐに知った。



デビューのために特訓し続けた3年間の内の出来事で、俺はビックリしたのを覚えてる。




『…本当に?』




『うん。こんな嘘つくかよ。』




唯の声に、斗真は少し笑ったようだった。



斗真はずっと怖がってた。


気持ちを伝えれば、今までのチームとしての関係は壊れるんじゃないかって。



だけどもっと気持ちを伝えれなかった理由は、唯がずっと悠斗のことを忘れられなかったこと。



こんな近くでずっと見ていれば、唯が悠斗を好きなことぐらい分かった。



ずっと会ってないのにずっと好きな人に、自分が勝てるわけがないって思ってたから。




しばらくの沈黙を破ったのは斗真だった。




『俺のこと好きじゃないことぐらい知ってるよ。だから返事はいらない。…して欲しくない。』





その言葉も斗真らしくて、俺は静かに笑った。




「…頑張ったんじゃん。」




俺はそう呟くと、ドアから離れて歩き出した。