俺がそんな唯に本気で怒ってるわけもなくて



俺は唯を見た。



唯はうつむいて下を向いていた。




「ゆ…」




「悠斗〜?」




唯に声をかけようとしたとき、俺の後ろから拓真の声が聞こえてきた。



俺は振り返って拓真を見た。




せっかく唯と話せてるってのにお前は…





「なんだよ、ここにいるって。」




「勝手にフラフラ行動するなよ。ここはただでさえ広いんだから…」




拓真はそう言って歩いてくると唯が居ることに初めて気づいたらしく、ニコッと笑った。







その笑顔があまりにも自然で



俺は息を飲んだ





「唯ちゃん!ごめんね遅れちゃって…もう始まってる?」




「うん始まってるよ。あたし達の出番は次だけどまだもうちょっとかかると思う。」




俺は唯の少し笑った顔にも驚いた。



2人はそれから、俺には分からないことを話し始めた。



拓真も唯もとても笑顔で、俺はその2人を見て何かとてももやもやしていた。




こんな思い始めてで



2人の笑顔で話している姿を見てとてもイライラした。