無理して笑うな


「…6年」


「あら!もうそんなに前?

確かにそうねぇ、引越しちゃったの6年生のときだったものね。」




これは流星にも言っていない。



俺と唯は幼馴染みだ。



生まれた時から家が隣同士で両親達も仲が良く、小さい時はよく一緒に遊んでいた。



唯はその頃から歌を歌ったり踊ったりするのが大好きだった。



テレビを食い入るように見つめてはアイドルの歌とダンスを覚え、よく披露してくれた。




『悠斗!見て見て!!』




いつもそう言って踊っていた唯を今でもはっきり覚えている。



でも小学校に入ってお互いのことを意識し始めてぐらいからあまり話さなくなった。



異性の唯と話しているだけでからかわれるのも嫌だった。



でも、俺はあの頃唯に恋心を抱いていた。



もちろん初恋だった。