「やめて!!!」
夏紅夜の声が聞こえた。
「炸焚くん、もうやめて。炸焚くんが来てくれただけで私は救われたんだから」
「でも!!!!」
「炸焚!!!大丈夫だから。私は大丈夫だから」
「夏紅夜・・・」
オレは夏紅夜の手足の拘束をほどきオレの上着を着せて抱き締めた。
強く強く抱き締めた。
「夏紅夜、遅くなってごめんな。怖かっただろ?」
「大丈夫。もしかしたらって希望を持てたから」
「でも。怖い思いさせた。何年も何年も」
「仕方ないよ。炸焚くんの前から消えたのは私だもん」
「そうだとしてもオレはお前を探せばよかった。そしたらこんな思いさせなくてすんだかもしれない」
「炸焚くん。。。」
「ごめんな?夏紅夜。すぐに助けられなくて」
オレは本当にそう思っていた。
何故すぐに助けれなかったのか気づけなかったのか。
夏紅夜がわざわざ近くに引っ越してきたことに他の意味があったこと。
オレは後悔しかなかった。