相手の数はざっと数えて10人ほど。
こっちは幹部全員揃っているから絶対何とかなると思っていた。
が意外や意外。
なかなか相手が倒れない。
なぜだ?
どうしてだ?
そんな思いが駆け巡る。

「おい炸焚、お前もしかしてさっきの一発が結構効いてんじゃないのか?」
「そのまさかかもしんねぇ。体が動きづれぇ。ちょいとヤバいやつかもしんねぇ」
「さっくん!!大丈夫??」

少し遠めな位置から心配をしてくる湊羽が目に入った。
湊羽に心配させるとかオレどんだけだよ。
湊羽にこれ以上心配させるわけにはいかねぇ。
オレは目の前にいた2人を相手にして湊羽に心配さすまいとした。

「湊羽心配するな、オレは大丈夫だ。だから目の前の敵に集中しろ」
「さっくん・・・わかった。でも無理だけするなよ?」
「おう。昔の口調が出た湊羽には逆らえねぇからな。安心しろ」
「オーケー。じゃあたのんだよ?」
「はいよ」

可愛い口調じゃないときの湊羽はマジだから逆らえねぇんだ。
でもまそんな奴だからオレは一緒に居たんだろうけどな。
少し昔の思い出に浸りながら1人ずつちゃんと倒していった。